共働きの家庭環境が一般的になってきた現代では、家事分担が重要なテーマです。しかし、妻が「指示待ち夫」に不満を感じる背景には、単なる割合の問題だけでなく、期待やコミュニケーションの不足も関わっています。お互いの役割を話し合い、より良いサポートをどう見つけるのかが、協力を深める鍵なのかもしれません。

 共働き夫婦の“永遠の課題”ともいえる「家事分担」。その実態について、リンナイ(名古屋市)が共働き夫婦の男女を対象とした「家事分担」に関する意識調査を実施。その結果を発表しました。

女性の半数が「1日に2時間以上家事」

 調査は2024年7月23日から同月26日、全国の20〜50代の既婚男女(フルタイム勤務)を対象に、インターネットリサーチで実施。計1000人から有効回答を得ています。

 全回答者に「あなたとパートナーは、それぞれどの程度、家事を分担しているか」について割合を聞いたところ、最多となったのは「妻7割・夫3割」(18.4%)でした。次いで「妻5割・夫5割」(17.7%)、「妻8割・夫2割」(16.8%)と続いています。分担割合について「妻が6割以上」と回答した割合を男女別で見ると、男性が65%、女性が80%でした。

「家事に費やす1日当たりの時間」についても聞くと、男性では「1〜2時間未満」が39%、「1時間未満」が33%と、全体の7割以上が「2時間未満」という結果に。一方で、女性では「2〜3時間未満」が29%、「3時間以上」が25%となり、女性の半数が1日に2時間以上家事をしている実態が浮き彫りとなりました。

「パートナーの家事に対する姿勢や対応に不満があるか」についても聞いたところ、全体の59%が不満を抱えていることが明らかに。男女別では、男性の46%に対し、女性は72%と大きな差がみられます。

「不満がある」と答えた人(男性232人、女性359人)に、その内容を聞いてみると、男性は「時間があるのにやろうとしないこと」「やり方が気に入らない・雑なこと」(各34%)、女性は「家事を『手伝うもの』と思っていること」(43%)が最も多いという生々しい結果となりました。

 調査結果を受けて、同調査の監修を行った知的家事プロデューサー・本間朝子さんは「共働きをしていても、家事の負担は依然として女性に偏っています。男性と同じように働き、同じように暮らしているにもかかわらず、女性の方が圧倒的に家事をしていることから、『家事分担』の意識は広まっているものの、実際の行動には結びついていない様子がうかがえます」と分析。

 また、家事分担の不満については「妻が不満を感じる大きな理由の一つに、夫の当事者意識の薄さがあります。妻は、夫に指示を待つ『お手伝い』ではなく、自発的に動く『当事者』になってほしいと思っています。例えば、妻が家事をしている間に夫が自由に過ごしていると、妻は不満を感じます」「夫に当事者意識を持ってもらうためには、細々とした家事を任せるのではなく、ある程度広範囲の家事を一任するのが効果的です。『夫に任せるより自分でやった方が早い』と思わず、締切時間や完成形など重要なことだけを伝えてあとは任せることで、夫が責任感と当事者意識を持ちやすくなります」とコメントを寄せています。

 夫婦の「家事分担」、あなたは不満を抱えていませんか?

オトナンサー編集部

家事分担、実は不満だらけ…?


(出典 news.nicovideo.jp)