『水ダウ』のコロナ対策イジり企画が物議を醸していますが、これは単なる娯楽番組の枠を超え、社会的な影響を考慮した慎重なアプローチが求められる時期ではないでしょうか。特にスポンサーの反応から、企業もこの問題の深刻さを理解していることが伺えます。

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斬新な企画が人気を集めているバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系、以下『水ダウ』)。だが8月28日の放送回では、「コロナ対策、いまだに現役バリバリの現場があっても従わざるを得ない説」と題するドッキリ企画が物議を醸した。

問題視されたのは、新型コロナ流行のピーク時にテレビ界で徹底されていた感染対策をイジる内容。ターゲットにされた芸人たちはニセのロケに参加し、マスクや消毒、検温、フェイスガードアクリル板ソーシャルディスタンスなどを細かく求められ、どのように反応するか試されていた。

しかし新型コロナは昨年5月に「5類感染症」に移行し、すでに行動制限は緩和されている。それだけに芸人たちは動揺していたが、スタッフの指示には素直に従っていた。

いっぽう新型コロナ感染者は現在も報告されており、医療現場では医師や看護師らがマスクやフェイスシールド、防護服などを着用して感染者に対応している。

本企画をめぐっては放送前からXで告知をした番組アカウントに批判の声が集まっていたが、放送後も《医療従事者をバカにしてる》《コロナで亡くなった人がいるのに》と厳しい声が上がる事態に。

それだけでなく“BPOに通報した”“TBSに抗議した”といった書き込みも散見され、その後も余波は広がっていた。

「この他にCMを提供していたスポンサー企業に、企画内容について見解を問い合わせた視聴者がいたようです。28日の放送回では三菱電機日清食品バンダイなどをはじめ複数の著名企業がスポンサーに名を連ねていました。さらにXでは、それぞれ異なるユーザーが三菱電機とビズリーチに問い合わせ、その回答内容を共有したポストが拡散したのです。それらのポストによればビズリーチは“賛同、許容はできない”とし、三菱電機も“人権の尊重にそぐわない”“TBSに申入れ済み“などと不快感を示していたそうです」(WEBメディア記者)

果たして、三菱電機とビズリーチが不快感を示していたというのは事実か。そこで本誌が9月17日に取材を申し込むと、両社とも広報から18日に文書で回答があった。

まず、ビズリーチは『水ダウ』のスポンサーであることを認めた上で、視聴者からあった問い合わせに対する回答については「お客様から個別にお問い合わせを頂いた内容につきましては、回答を控えさせて頂きます」とコメント。また、コロナ対策をネタにしたドッキリ企画に対する見解や、スポンサー継続の意向については次の回答があった。

「この度『水曜日のダウンタウン』にて放映された内容は、当社の見解を示すものではございません。本件に関わらず、いただいたご意見、ご指摘については真摯に受け止め、関係者と慎重に協議を重ね、対応を検討してまいります」

そして三菱電機も「8月28日(水)放送分のみ同番組スポンサーとしてCMを放映しました」と認めつつ、視聴者からの問い合わせに対しては「お客様とのやりとりの内容については、回答を差し控えます」とコメント。だが企画内容に対する見解やスポンサー継続の意向については、毅然とした回答が――。

8月28日(水)放送分に関しては、関係者に不快感を与える内容を含んでいたと考えております。今後、同番組のスポンサーになる予定はありません。同番組に限らず、スポンサー計画については、適時適切に判断してまいります」

TBSは8月30日に、本誌に対して「番組に様々なご意見が寄せられていることは承知しております。今回の企画に対して頂いた批判的なご意見に真摯に耳を傾け、今後の番組制作に生かしてまいります」と回答していた。賛否を呼ぶ企画も目立つ『水ダウ』だが、この先も攻めの姿勢を堅持していくだろうか。



(出典 news.nicovideo.jp)