走り続ける

●子供たちとつながりを持てることに喜び
「ちょうど今、私は走り続けている人生の中で一区切りつけようと思っていまして、ここからまた新たな女優人生とライフスタイルが始まる転換期のような気がしています」。晴れやかな表情でこう語るのは、2018年に『ホリデイラブ』(テレビ朝日)でブレイクし、ドラマを中心に引っ張りだこの女優・松本まりかだ。

今年、『向こうの果て』(WOWOW)で連続ドラマ初主演、さらに、現在放送中の『それでも愛を誓いますか?』(ABCテレビ)で地上波連続ドラマ初主演。また、アニメプリキュアシリーズ劇場版最新作『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』(公開中)の声優に抜てきされ、ここ2年の出来事は自身にとって大きな意味があるという。これから、さらに先へと進もうとしている松本。転換期を迎えた今の思いをたっぷりと聞いた。

松本は「子供たちの夢や憧れが詰まった作品に呼んでいただけたことが、とにかくうれしかったです」という。「今までは大人向けのドラマが多かったですし、子供が見たら怖い役もやってきましたので、純粋にプリキュアが大好きという子供たちのキラキラの眼差しの中に入れるというのはとにかくうれしいこと。私が子供たちに何かを与えるというよりは、私自身が子供たちとつながりを持てることに喜びを感じました」。

また、子供に対する思いも「子供のピュアな心を汚したくないし、彼らの夢を応援したい。私は今に至るまで時間がかかりました。だからこそやりたいことは信じてやり続けてほしいという思いがあり、私みたいに時間をかけず早く夢をつかんでほしいと思っています」と明かし、本作に参加したことで「さらに子供に関わりたいという思いが強くなりました」と語る。

松本が演じたのは、雪の王国・シャンティアのプリンセスシャロン。「気品や気高さがあって、強く生きようとしている反面、中身は繊細で少女の心を持っている。二面性のある役だったので、表と裏がいい形で出せればいいなと思いました」と、二面性を意識して演じたという。

シャロンとの共通点を尋ねると、「子供の頃に寂しい思いや傷ついたことがあり、それを誰にも言えなかったというのは共感するところがありました」と答え、「私は幼い頃あまり友達と遊ぶこともなく、家に一人でいることが多かったのですが、演劇と出会い、それが仕事になり、この世界にすごく救われました」と演劇の世界に感謝する。

演劇との出会いは「小学校の学芸会」。「学校の行事の中で一番楽しかった。その当時、それ以上に楽しいことは人生の中でないくらい楽しくて高揚しました。それが中学になって仕事になり、そこから今まで長かったですけど、一番好きなことが仕事になっていて、出会うべくして出会ったのかな」と天職のようだ。

ブレイク後の踏ん張りがなかったら今はない

2000年ドラマ六番目の小夜子』(NHK)で女優デビューし、ドラマや映画、舞台など幅広く出演。そして、2018年に『ホリデイラブ』であざとかわいい不倫妻を演じ、33歳にしてブレイクを果たすと、そこから勢いは止まらず。今年になってついに連ドラで主演を務める存在となった。

「この数年、特にこの1年で一気に結実した感じがしています。『ホリデイラブ』が大きな転機でしたが、そのあと踏ん張っていなかったら今はない。なので、今まで自分がやってきたことや、自分の人生が何だったのかという答え合わせができている感じがします」

もがき続けた18年があったからこそ、『ホリデイラブ』後も頑張れたという。「18年間、歩けど歩けどずっと雲の中で、やっと少し兆しが見えたけど、そこがゴールではなかった。私はここからどうすべきなのか、どこまで頑張らなきゃいけないのか、それまでの18年間が教えてくれた。環境はガラッと変わってもその光景を冷静に見ていた気がします」。

長年の努力が実を結んだ今、これからの活動について「自分がやりたいと思っている以上のお仕事をいただいて、できる限りやってみよう、できないと思うこともやってみようとした2年くらいでしたが、これからはもう一歩先に進みたい」と話す。 “もう一歩先”とは「お仕事を、スタッフさんたちとしっかり理解し合いながら丁寧にやっていきたい」ということ。そうすることで、自分らしさをさらに輝かせるつもりだ。

「本当に自分である生き方がしたい。ほかの人のような生き方、ほかの女優さんのような生き方のほうが世間から受け入れられるのかもしれませんが、自分というのは唯一無二なので、自分の色で認めてもらえるような表現者でいたい」

女優の仕事とは別に、人生をかけて挑戦したいこともある。「女優人生とライフスタイルの二本柱で考えていて、ライフスタイルのほうでは、社会問題や環境問題、教育問題に関心があります」。

社会問題や環境問題などへの関わりは「まだ想像の段階」としながらも、思いは強い。「自分が生きていられるのは地球のおかげだと思っているので、少しでもよくしてから死にたい。使命のように思っていて、何か残さないと死ねないなって(笑)。寄付という形なのか、もっと自分が取り組むものなのかまだわかりませんが、10代の頃からやりたいと思っていて、有名になったら私の行動が大きな広がりを見せると思ったから有名になりたいというのもありました」。

教育に関しても「小学生のときに、なんで勉強しているのかわからなかった。なんで算数を勉強しないといけないんだろうって。今は、物事を組み立てて話せる思考回路にするためにも数学は必要だと思うのですが、もっと早く知りたかった。必要性や正しさを理解し、自分の思いで行動できるようになると、大人になったときに自分の人生が広がる。本当に自分の人生を生きてほしいと思っているので、教育にすごく興味があります」と熱く語った。

コンプレックスの声も少しずつ受け入れられるように

松本といえば、甘い声も魅力だ。数多くのアニメゲームキャラクターを演じており、ナレーションとしての起用も多い。

松本自身は甘い声にコンプレックスを抱いており、声が武器と評価されていても「自分ではよくわからないというか、やはりまだ、う~んと思うことがあります。怖い役をやろうとしても説得力がないんじゃないかと思ってしまったり」とマイナスに感じることが多いという。

だが、声優としてオファーを受けたり、声を評価されたりする中で、少しずつ受け入れられるように。「コンプレックスだけど、この声に助けられている部分はすごくあるので、コンプレックスと共存しているような、それは自分の人生で学びになっているところではあります」。

プリンセスシャロン役に関しても松本が演じると発表されてからSNSでは喜びや期待の声が多く上がっており、「喜んでくださるのはうれしいです」とにっこり。

さらに、「皆さんが認めてくれるということが私の自信になっています。本当は自分で自分を認めることが一番大事だと思うので、私はまだその途中なんだと。いつか自分の声やコンプレックスをまるっと好きになれたときに、自分がどういう人になれるのか。まだ成長の伸びしろがあるってことですね」と語った。

自身としてはコンプレックスだという声も含め、唯一無二の輝きを放つ松本。最後に、自分の最大の強みを尋ねると「根性ですかね」と答え、「踏まれても踏まれても立ち向かう。逆境から成長する、逆境力ですかね(笑)」と照れながらも胸を張った。

松本まりか
1984年9月12日生まれ、東京都出身。2000年に『六番目の小夜子』(NHK)で連続ドラマデビューし、2018年『ホリデイラブ』(テレビ朝日)の井筒里奈役で注目を集める。2020年は『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ)、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日)、『先生を消す方程式。 』(テレビ朝日)に出演。今年は『教場II』(フジテレビ)、『最高のオバハン 中島ハルコ』(東海テレビ)に出演し、『向こうの果て』(WOWOW)で連続ドラマ初主演。『東京、 愛だの、 恋だの』(Paravi)、現在放送中の『それでも愛を誓いますか?』(ABCテレビ)でも主演を務める。

ヘアメイク:渡辺了仁(carillon) スタイリスト:後藤仁子 
ビッグカラーワンピース:フレイ アイディー(FRAYI.Dルミネ新宿2店)
(酒井青子)

画像提供:マイナビニュース


(出典 news.nicovideo.jp)

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