受賞する。

 俳優の上白石萌音(25)が、2022年の演劇界の成果を顕彰する『第30回読売演劇大賞』で「最優秀女優賞」を受賞し、24日に都内で行われた贈賞式に出席した。

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 25歳での最優秀女優受賞は史上最年少の快挙。宮崎駿氏原作の『千と千尋の神隠し』の舞台版、『足ながおじさん』を基にした舞台『ダディロング・レッグズ』での演技が評価された。

 壇上でトロフィーを受け取った上白石は「身に余る賞をいただき、大変恐縮です。恐れ入ります。(トロフィーが)めちゃくちゃ重いです」と笑顔を見せた。幼少期から舞台が好きで、舞台女優への憧れを抱いていた。「そんなに甘い世界ではないと、1度は夢をきっぱり諦めたこともありましたが、数々の尊いご縁と幸運に恵まれ、今があります。一つひとつの出会いに心から感謝しています」と口にした。

 続けて「憧れ続けてきた世界は、やはり甘くはなくて…。今も、おけいこの真っ最中ですが、毎日、悩むことばかりです。うまくいかないことの方が多くて、きょうもおけいこ場から『どうしたものか』と首をひねりながら会場に参りました」と本音もポロリ。それでも「その焦りや悔しささえも、私にとっては大きな喜びです。子どものころから大好きだった演劇に携われているという幸せが、どんな困難からも私を引っ張り上げてくれます。たくさんの方々が心血を注いで生の時間をつむいでいく、この演劇が私は大好きです」と笑った。

 「今はカンパニーの皆さんに助けていただいて、学ばせていただくことばかりで。私も、いつか誰かに手を差し伸べられるような、それぐらい長くお芝居を続けられていたら幸せだと思います」とこれからの抱負を語ると「この賞に泥を塗らないように、ますます精進して参ります」と決意を新たにしていた。

 読売演劇大賞は、演劇文化の振興のために1992年に創設。選考委員のノミネート、投票委員の投票という2段階を経て、作品、男優、女優、演出家、スタッフの5部門の年間最優秀賞を決定する。このほか、新人を顕彰する杉村春子賞や、長年の功績や優れた企画を顕彰する芸術栄誉賞が設けられている。

 式典の模様は、読売新聞オンラインの特設ページでライブ中継している。

■第30回読売演劇大賞の主な受賞者・受賞作品
最優秀作品賞:劇団チョコレートケーキ『生き残った子孫たちへ 戦争六篇』
最優秀男優賞:段田安則
最優秀女優賞:上白石萌音
最優秀演出家賞:五戸真理枝
最優秀スタッフ賞:前田文子
杉村春子賞:大原櫻子
芸術栄誉賞:草笛光子
選考委員特別賞:『ハリー・ポッターと呪いの子
優秀男優賞:片岡仁左衛門、坂本昌行、田代隆秀、廣瀬友祐
優秀女優賞:音無美紀子、長野里美、望海風斗、森尾舞

史上最年少で最優秀女優賞を受賞した上白石萌音 (C)ORICON NewS inc.


(出典 news.nicovideo.jp)